ぎっくり腰の症状と本当の原因
ぎっくり腰とは、一言で言いますと、腰の筋肉の捻挫です。捻挫と聞かれると、足首をひねた時の捻挫を想像される方が多いと思いますが、体のいたるところで筋肉に対して無理が負荷がかかると捻挫を起こします。
腰の背骨は5つあり、その一つひとつが関節です。関節を支える筋肉が元々柔軟であれば、多少の無理な体勢になってもスムーズに伸び縮みするので、捻挫を起こしません。
ぎっくり腰になる筋肉は、痛みや違和感がなくてもバランスを崩していて、ほんの少しの動きにもスムーズに対応できないため、無理やり筋肉を捻られたり、伸ばされたりして捻挫を起こします。これがぎっくり腰です。
元々が状態の良くない筋肉で発症するので、ほんのささいな動きでも発症するのがぎっくり腰の特徴でもあります。
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重いものを持ち上げようと踏ん張った瞬間
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寝ていて体を起こそうとした瞬間
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こんな時に起こるのはもちろんですが、
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くしゃみをした瞬間
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階段で足を着地させた瞬間
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ズボンを脱ごうと片足立ちになった瞬間
など、日常的に毎日している動作でも簡単に発症します。
当院での改善法
ぎっくり腰の直接の原因となるのは、腰の背骨の横で、体を常に支えるために働いている脊柱起立筋の捻挫によるものです。しかしこの筋肉がいい状態のときにぎっくり腰は発症することはほとんどなく、元々バランスを崩した状態で発症することがほとんどです。
重要なことは、なぜ脊柱起立筋がバランスを崩してしまうのかということです。
日常生活動作により左右の筋肉の使い方が異なるため、片寄ってバランスの悪い筋肉が出来ます。このバランスの悪い部分が背骨を引っ張ってゆがめてしまいます。いったん背骨がゆがむと、その部分は背骨で体が支えられなくなるため、筋肉だけで体を支えようとして、バランスの悪い筋肉がどんどん増えて、さらに背骨を引っ張ってゆがみを大きくするという悪循環になります。
腰の背骨がゆがむと上半身の背骨は反対にゆがんでバランスを取ろうとして、結果的に腰の歪んでいる部分からも負担がかかり、さらに上半身からも負担がかかります。
また、過去に足を痛めたことがある、左右の足の筋肉のバランスが悪くなって土台が
傾いていることも、ぎっくり腰の原因となります。
当院での施術
ぎっくり腰に必要な施術部分は、
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痛めている腰の筋肉
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痛めている部分に負荷をかけている上半身の筋肉
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しっかりと支え切れていないバランスの悪い足の筋肉
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ゆがんでいる背骨
このすべてとなります。
まず、筋肉に対して柔軟性を出す必要があります。バランスを崩して動きの悪くなった筋肉を丁寧に施術師の手により、緩めていきます。初めは指で圧をかけても反発するような筋肉も、だんだん氷が解けるかのように柔軟になっていきます。利用者様も最初は少し痛みを感じられるかもしれません。しかし、施術が進むうちに同じ強さで施術されても痛みを感じることもなくなっていくでしょう。
そしてこの筋肉の施術は、腰だけでなく、上半身から足に至るまで、ぎっくり腰の痛みの原因となりそうな筋肉は毎回全て施術します。
そして最も大切なことは、背骨を真っすぐに矯正することです。真っすぐな状態ですと、常に体は背骨で支えられ、筋肉にかかる負担が一気に減少します。利用者様も「体は軽くなった」、「スムーズに腰を曲げられるようになった」を言われます。背骨で支えられると、筋肉の負担がなくなるので、体は軽く動くように感じられるようになります。
ぎっくり腰になった時の注意点もお話ししましょう。
1.その日の内に施術
ぎっくり腰になってしまった初日は意外と動ける人もいらっしゃいます。しかし、痛みの原因である炎症物質がどんどん広がってしまいますので、初日に施術を受けてもらうのが1番です。もし施術に行けない時には、自宅で安静にして、氷嚢(ひょうのう)などで冷やしてください。
初日に痛みが強くなくても、冷やすことは怠らずに続けていきましょう。
2.RICE(ライス)処置
すぐに施術に来れない時は、RICE処置を覚えておいてもらうといいでしょう。
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R…Rest(安静)
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I…Icing(冷却)
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C…Compression(圧迫)
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E…Elevation(挙上)
この4つです。
安静にして、氷嚢で冷やし、骨盤ベルトで腰の筋肉を圧迫するといいでしょう。挙上とは、仰向けになれるようでしたら腰や骨盤の下にクッションなどを敷いて、心臓より高い位置でキープすることです。もし痛みで仰向けになれないようでしたら、横になって、腰を曲げて膝を抱え込むようにします。
3.発症後3~4日以上経過したあとは、適度なストレッチ
ぎっくり腰になってしまった直後は、安静が大切ですが、安静にしすぎるのも良くないと言われています。もちろん無理にない範囲で構いませんが、徐々にストレッチもしてみるのもいいでしょう。
ストレッチの許容範囲は、痛みを感じない程度です。1回のストレッチに20秒以上かけて、反動を付け過ぎないように注意しましょう。詳しくは、施術師までお気軽にお尋ねください。